三大流星群のひとつ「しぶんぎ座流星群」の活動が2021年になりピークを迎えます。日時と方角や放射点はどこ?多くの流星をみるにはいつ・どこで・どこの空を見上げればいいのか?ライブ生配信や注意点も!
しぶんぎ座流星群とは
流星群は、彗星の道筋と地球が太陽を周るコースが交差する場所で起こります。
これは太陽を周る彗星がその道筋に氷やチリをたくさん残し、その場所を後から地球が通過すると、たくさんの氷粒やチリが地球の大気に入ってきて、それが大量の流れ星となって地上で見える現象です。
しぶんぎ座流星群は、昔『しぶんぎざ座』方向から流れてくるように見えたことからこの名前がつきました。
【星空情報 2021年1月4日】未明にしぶんぎ座流星群が極大になります。しぶんぎ(四分儀)座とは、りゅう座、うしかい座、ヘルクレス座の境界付近にフランスの天文学者ラランドがつくった星座ですが、現在は流星群にだけ名前を残しています。 #天文手帳 pic.twitter.com/S05cwf8WXs
— 地人書館/天文手帳 (@chijinshokan) January 1, 2021
流星群の名前は、放射点のある星座であるその近くにある星の名前が付けられることが多いのですが、実は、現在「しぶんぎ座」という星座は存在しません。
1928年に現在の国際天文学連合が、全天88星座を決定した際にこの星座を廃止したからです。
また、しぶんぎ座流星群の元となる彗星ですが、これには諸説あります。
2003年に発見された小惑星番号196256の小惑星が近年では有力視されていますが、はっきりは分かっていないのです。
ところで、しぶんぎ座流星群の「しぶんぎ」とは英語ではQuadrant(クワドラント)と言い、もともと円を4分割したそれぞれの扇形(四分儀)という意味です。
円の1/4の扇形をしたもので、メモリの1日に照準がついた道具で、主要部品のその形状からこういう名前が付けられました。
西暦150年頃の記録には既に登場しており、ギリシャの天文学者プトレマイオスの書物アルマゲストの中にも出てきます。
この用途としては、正午の太陽の高度を測定できる道具で、逆に太陽の高度から現在時刻を割り出すことができるため、時計が発達するまではイスラム世界で盛んに用いられていたそうです。
ちなみに「しぶんぎ座」がどこにあったかと言うと。。。
現在の「うしかい座」と「りゅう座」の境目あたりになります。
りゅう座は慣れないと見つけにくいかもしれないので『うしかい座と北極星の中間あたり』と考えても大丈夫です。
また、しぶんぎ座流星群の特徴は、流星の出現数が年によってかなり差があり、予想するのが難しい流星群と言われています。
過去には、多い時には1時間あたり100個程度の流星が見られたことこ。
2021年は1時間あたり45個くらいは見えるとのことです。
しぶんぎ座流星群は放射点が北天にあるため、観測は北半球に限られます。
ヨーロッパの冬は晴天率が低いのに対して、日本の太平洋岸はこの頃は天候に恵まれることが多く、しぶんぎ座流星群は日本での観測に適した流星群なのです。
しぶんぎ座流星群2021の放射点とピークはいつ?
放射点が出てくる時間(関東地方) | 放射点が出現する方向 | 活動の極大 |
午後10時40分頃 | 北北東の地平線 | 1月3日の深夜から4日頃 |
お勧め観察日時:1月4日午前2時半以降に北東の低い位置
ほしぞら情報🌃今年のしぶんぎ座流星群🌠の極大は1月3日23時~4日0時頃と予想されていますが、放射点の高度が低いため観察には向きません。観察に適した時間帯は4日の夜明け前2~4時間です。月明かりの影響もあり、実際に見える数は平均的な年より少なめでしょうhttps://t.co/qvFHISBRRJ #国立天文台 pic.twitter.com/TGJxhrI2N8
— 国立天文台 (@prcnaoj) January 1, 2021
2021年、年があけて「しぶんぎ流星群」が活動のピークを迎えます!
活動のピークは1月3日日曜日の23時頃と予想されています。
日付が変わって、4日月曜日未明から明け方にかけて出現数が最も多くなると思われます。
1月3日:関東地方では放射点が北北東の地平線から出てくる時刻が午後10時40分頃になります。東京では放射点が23時頃から登ってきて、流星が流れ始めます。
しかし、放射線の高度が低い時は観察がしづらいです。
また、東の空に月が上がるので月光が邪魔をします。
月が天頂付近まで上がりきる、日付が変わった1月4日午前2時半以降に観察する方が見やすいかもしれません!
流星は放射点の方向から流れますが、放射点の付近だけでなく全天のどこかに出現するので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにして観測するのがおすすめです。
1時間当たり最大20個程度の流星が期待できると予想されていますが、月が夜空を照らすため条件はあまり良くありません。
また、どの方向を見ても見られるチャンスは変わりませんので、放射点にこだわらず空を広くぼんやりと眺めてみてくださいね。
太平洋側ほどバッチリ見えます。
ライブ中継
ウェザーニュースによるアラスカの空のライブ中継が楽しめます。
日本では放射点がのぼる時間が遅く、深夜にしか見られませんが、アラスカ・フェアバンクスでは放射点が沈まないため、暗い時間帯は長時間にわたり流星群が流れるチャンスがあります。
ウェザーニュースYouTubeより
注意点
流星を観察するときの注意点をみてみましょう。
■空が大きく開けた場所で、街から離れた夜空が暗そうな場所が良いでしょう。
流星の観測は「光」が1番の難敵です。
障害となる街路灯や、自動販売機がない場所が良いですね。
2021年は月明かりもあるので、月を背にして観測することをお勧めします。
■さらに寒いので、トイレが近くにある場所が見つかればベストです!
一年のうちで冷え込みが一番厳しい時期なので、厚手の服装や、使い捨てのカイロや手袋などしっかりとした防寒対策をしてください。
■流れ星を見る場所には少し早めに行き、事前に暗さに十分目を鳴らしておきましょう!
流星を観測するには「肉眼」が一番です!!
望遠鏡や双眼鏡は視野が狭くなり、流れ星を見過ごす可能性があります。
「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」と並び三大流星群の一つである「しぶんぎ座流星群」。
2021年の最初にぜひ楽しんでみてください!
まとめ
【しぶんぎ座流星群2021ピーク時間や放射点!ライブ動画生配信と注意点も!】をまとめました。
みなさんが、流星をみられることを願っています。
「知っとく!防災のすべて」でした。