神奈川県内や横浜市で異臭がするとの通報が相次いでいますが、匂いの元や原因は何なのでしょう？関東大震災が起きる前にも似たような事があったとの情報もありました。巨大地震の前兆だと不安の声が上がっています。
神奈川県内の異臭とは？
2020年現在、神奈川県内で起きている異臭騒ぎ。
この異臭の原因がわからないまま、現在に至っている為に「巨大地震の前触れではないか」との声もあり不安が広がっています！
神奈川の異臭騒ぎが地震の前兆とかあったけど気になるのう
— タカマキ (@takamaki524) October 28, 2020
もし、巨大地震の前触れであるなら、この異臭騒ぎは神奈川県内の問題だけではありませんよね。
神奈川県内で起きている異臭騒ぎについてまとめてみました。
異臭騒ぎはいつから？
この異臭騒ぎがあったのはいつからなのでしょう？
最初に異臭がすると通報があったのは2020年６月のことでした。
当初、三浦市周辺でおよそ200件の通報があったそうです。
その後、7月、8月、9月、と月に一度のペースで異臭騒ぎがあり、10月に入ると横浜市内の中区、神奈川区、港北区など、異臭がする場所が北上して範囲や頻度も広がっているように感じます。
現在までに、異臭の通報があった場所をまとめてみました。
・三浦市 6月4日
・逗子市 6月4日、10月2日、6日、9日
・横須賀市 7月17日、8月21日、9月19日、10月1日、14日、２６日
・横浜市 10月1日、3日、5日、6日、12日
横須賀消防局の庁舎内や、横須賀市環境管理課の事務室でも臭ったとのニュースもありました。
異臭はどんな匂い？
神奈川県内で報告されている「異臭」とはどんな匂いなのでしょう？
「異臭」なので良い香りではないことは分かるのですが、遠く離れた地域に住んでいるとその苦しさがなかなか理解できませんね。
そこでどんな匂いなのか、証言をまとめて見ました！
- プロパンガスのような匂い（ガスの匂い）
- 焦げ臭い感じ
- ガソリンの匂い
- シンナーの匂い
- 化学薬品を混ぜたような嫌な臭い
- ゴムが焼けた臭い
- 生ゴミみたいな匂い
そうですね、人によって表現は違いますが「ガス」の匂いと言うのが多いようです。
「臭気判定士」という国家資格持った石川英一氏によると、この異臭は「ガスの匂い」で間違いなく、もっと強く匂えばガス会社に連絡するレベルの匂いなのだとか。
この異臭はマスクをしていても感じるそうなので、相当キツく臭っているのだと思われます。
これが原因で具合が悪くなり救急搬送された方もいたほどです。
匂いがする時間はどのくらい？
証言によると
- ３分ほどだった
- ５〜10分程度
と時間や場所によって臭いが漂っていた時間は異なります。
風の流れや場所によって違うのかもしれませんね。
異臭の成分について
10月12日にはJR横浜駅改札内への入場を一時規制したりと、異臭による生活に支障が出ています。
もちろん、この異臭騒ぎについては神奈川県だけでなく国も動き出しています。
10月23日には神奈川県の黒岩知事が小泉環境大臣と面会したとニュースで報道されていました。
面会している時間も惜しいくらい不安なんだけどな〜と思っちゃいますが、いろいろ段階を踏まないといけないのがお役所仕事なのでしょうね。
歯痒いですね〜。
しかも、採取した空気成分を鑑定するのに１週間くらいかかるのだとか。
やはりドラマ「科捜研の女」みたいには行かないのが現実です、、、。
結果。
県環境科学センターで分析したところ、ガソリンなどに含まれるイソペンタンやペンタン、ブタン、その他複数の物質が、市内の通常の大気中に比べ10倍以上の高い濃度で検出されているそうです。
イソペンタンもペンタンも常温・常圧では無色の液体で、天然ガスや石油エーテル、ガソリンなどに含まれています。
イソペタンは発泡スチロールの発泡剤にも使用されるそうなので、発泡スチロールが溶けた匂いに近いのかもしれません？。
ブタンはライターやカセットコンロの燃料とかにも使用されていますよね。
しかし、とりあえず健康被害があるレベルではないそうなのでひと安心ですが、この匂いの発生源がわからない限り、不安は消えません。
異臭の原因は？
青潮・赤潮が原因？
風に乗って海の方から漂ってきているのではないかとの推測から、異臭の発生源は東京湾で発生する青潮ではないかとの説が浮上しました。
しかし、漁師さん曰く「青潮は何度も経験していますが全然違う（臭い）」とのこと。
また神奈川県によると、今年、県内で青潮や赤潮が発生したとの報告はないそうです。
つまり、この異臭の発生源は青潮ではないと言うことになります。
ちなみに青潮とは【大量のプランクトンの死骸が分解され、酸素が欠乏。海面が青白く見える現象】です。
青潮の匂いは「たまごが腐った匂い」でガス臭いとかコゲ臭くはないそうです。
タンカーのガス抜きが原因？
東京湾には世界各国から大型タンカーが入港します。
異臭がガソリン臭いことから、タンカーの「ガス抜き」ではないかと言う説も出たようです。
このガス抜きは、点検や修理でタンク内に人が立ち入る場合や、積み荷の種類を切り替える際に行う作業で、タンク内に風を送り込んで空気を外の空気と入れ替えるのだそうです。
この時にタンク内の匂いが流れ出て異臭の原因となったのではと考えられたようです。
しかし、通常のガス抜きは湾の外で行うそうで、小泉環境大臣も「調べてみたが、どうも違うようだ」と述べています。
石油タンクが漏れた？
今回の異臭騒ぎは「海に近い場所」で多く発生していることから、横浜市の沿岸部にある、製油所の石油タンクのガソリンが漏れたのではないか？との説もありました。
しかし、石油タンク自体が排気できるものではないので異臭発生は考えにくいとのこと。
しかも1日10回は安全確認をしているそうで、異臭騒ぎの時には構内の設備には問題はなかったと言います。
巨大地震の前触れか！？
今年（2020年6月）から発生している異臭騒ぎの発生源が不明のまま、現在に至っています。
立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授によると「活断層やプレートの動きによる異臭」ではないかと言うのです。
活断層が割れたり、プレートがこすれて剥がれたりすると異臭がする。三浦半島と房総半島南部は活断層が地表に露出していて、活断層の岩が割れれば異臭がするはず」
引用元：Yahooニュース
このことから「地震の前兆」ではないかとの説が浮上しています。
地震発生のメカニズムを簡単に説明しましょう。
日本のまわりは４つのプレートがあります。
画像引用元：静岡県防災センター
この４つのプレートが押し合いへしあいして歪みが生まれ、それを元に戻そうとしたり、割れ目ができることで地震がおきます。
この押し合いへしあいの中で、地下にあるガスが地上に噴出しているのではないかと考えられているのです。
同じく高橋氏によると、千葉県を含む東京湾東側の約３分の２のエリアには、地下に天然ガス溜まりがあり、地殻変動などで地表面に出てくることもあるとか。
ちなみに、2020年6月には奄美地方から沖縄、台湾、フィリピンにかけて地震は頻発しています。
これらは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界付近で起きている地震だとか。
沖縄は今年になって59回の揺れがあり、沖縄本島では1月、震度4の地震が起きています。
地震と異臭の関係については関係性は断定できないものの、地震の前兆というのも否定できません。
1923年の関東大震災の後に内務省がまとめた文書の中には『三浦半島の城ケ島と浦賀で異臭騒ぎがあった』そうです。
その上、三浦半島でガスが噴出した記録もあるのだとか。
また、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災が起きる前にも「異臭」があったと言います。
ただ、地震学者の武村雅之氏は「地震との関係は少し距離を置いて考えて頂きたい。地震が起こる時の前兆現象というのは今のところ、科学的にきちんと解明されたものはない」と述べています。
引用元：Yahooニュース
関東大震災
1923年（大正12年）9月1日11時58分32秒ごろに発生したマグニチュード７.9の地震。
家屋の倒壊や地滑りのほか、津波や大規模な火災も発生して犠牲者は10万5385人に達しました。
阪神・淡路大震災
1995年（平成7年）1月17日に発生したマグニチュード7.3の地震です。犠牲者は6,434人にも及びます。
東日本大震災
2011年（平成23年）3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による災害です。12都道県で2万2,000人余の犠牲者・行方不明者が発生しました。
関東大震災や阪神・淡路大震災、東日本大震災の時の異臭がどんな匂いだったのかまではわかりませんでしたが、とにかく「異臭」がしたとあります。
このような過去の経験から、異臭の後に地震が起きたことで、近いうちに首都直下型地震や南海トラフ地震が起きるのではないかとの考えもあります。
まとめ
【神奈川の異臭は巨大地震の前兆？関東大震災前と同じ現象だと不安の声！】をまとめました。
神奈川県の異臭については、現在、県や国が調査中で発生源や原因はまだ解明していません。
青潮やタンカーのガズ抜き説もありますが、どれも違うようです。
地殻変動により地下に溜まっているガスが空気中に出てきたのではないかと言う考えもあります。
この「異臭」について、今後も詳しい情報がわかり次第お知らせします！
複数の要因があるのかもしれませんが、もし、地震の前触れであるなら想定できる災害に備えて万全の準備を整えておきたいものですね。
「知っとく！防災のすべて」でした。
