2020年の今年は10月1日が中秋の名月です。読み方やその意味と、満月にお団子やススキを備えるのは何故なのでしょう?昔からの風習ではありますがいろいろと奥が深いようですよ。
中秋の名月とは?
2019.9.13
令和最初 中秋の名月#13日の金曜日#仏滅#名月#明月#出雲 pic.twitter.com/w3X8bLuwku— Nimo5@jp (@nimo5) September 13, 2019
2019年、令和初の中秋の名月は9月13日の金曜日でした。
2020年の今年は10月1日水曜日です。
毎年、この時期になるとニュースにもなる中秋の名月【ちゅうしゅうのめいげつ】という言葉。なんとなく知っているようで実はよく分っていない、そんな人達が多いのではないでしょうか?
自分も含め、ちょっと掘り下げてみたいなと思います。
名月とは?
【中秋】はおそらく季節のことでしょうからまずは【名月】について。
有名、著名、名人や名前などにも使われている【名】という文字にはもともと「すぐれている」「ほまれ高い」というような高貴な意味が込められています。
つまり【名月】は現代風に言えば「めっちゃ!キレイな月」と言えるかもしれません(笑)
ですが、この【名月】ただきれい、というだけではそうは呼べないようなのです。
ネットで【名月】を調べると1年間に2回、その【名月】と呼ばれる月が現れます。
その一つが【中秋の名月】、そしてもう一つが【後(十三夜)の名月】です。
名月は秋でしか見られない!?
【中秋】も【十三夜】も旧暦(陰暦)のある1日を指す呼び名です。
旧暦はご存知の方も多いと思いますが、月の満ち欠け(周期)を基に出来た暦です。現在の新暦とは10日余りの誤差があります。
とは言え、1年は同じ12か月で構成されていました。現代でも12月を【師走(しわす)】と呼ぶのはこの名残ですよね。また、季節も1~3月が『春』、4~6月が『夏』、7月~9月を『秋』、10月~12月は『冬』としていました。
現在の新暦とは2ヵ月くらいのズレがある感じでしょうか。
このような陰暦時代の『秋(7~9月)』の真ん『中』である8月15日を【中秋】、そしてその一ヵ月後の9月13日の夜を【十三夜】としてその日に見る事のできる月だけを【名月】と呼んでいたようです。
その理由は諸説があるみたいですが、まとめると
①どうせ愛でるならキレイな満月がいいから
中秋のお月見は元はと言えば中国から渡ってきた風習だそうです。しかも平安時代に。
中国では中秋節と呼んでいて現在は休日になっているとか。月見よりもきっと旅行する人の方が多そうですよね。
日本であろうが中国であろうが、月を見ながら一杯引っかけるなんていう贅沢な時間を過ごすならキレイでよく光っている満月がいいと誰しもが思ったはず。
②季節がいいから
そんな風流な時間をすごすのに暑くて虫が飛んでいる「夏」も、天気が不安定で霞がかかり易くまだまだ夜は肌寒い「春」も雪見酒も悪くはないけど外で月を見る気にはなりずらい「冬」が敬遠されるのはあたりまえ?
天気が安定し、すごしやすい気温と澄んだ空気、また月が適度な高度になるといううってつけの「秋」になるのは自然の流れですよね。
③実りの「秋」に感謝を込めるから
「秋」は季節がいいことに加え、実りの「秋」でもあります。春から夏を経て実ってきた作物を収穫する大切な時期。そして、また次の一年を生きていくために神々に感謝をする時期でもあります。
お月見が収穫祭を兼ねていた、という説もあるそうですよ。
これらの理由で現代の9月後半~10月あたまにかけて【中秋】が訪れ、その日の夜に見られる月が【中秋の名月】と呼ばれるようになったようですね。
正しいお供えと楽しみ方
明日は十五夜なので、当店も「お月見玉子」をお供えしております🌕#中秋の名月 #十五夜 pic.twitter.com/T4rPYLKFJK
— 元祖ラヂウム玉子 / 阿部留商店【公式】 (@radium_tamago) September 30, 2020
十五夜の必須アイテム
まずはなんといってもススキですよね。
その理由も諸説あるようですが、ススキは秋の七草の一つで先端の白い尾花が稲穂に似ていて、《魔除け》になるからとか
背の高いススキを供えることで神様が降りて来る「依代(よりしろ)」とするためといった理由があるそうです。
また、次に外せないないのが月見団子。
旧暦8月15日は #八月十五夜 といい沖縄の #十五夜 です🎑
沖縄では #お月見団子 のかわりに #フチャギ をお供えして食べます。フチャギの小豆には魔除けの意味があり、つぶさずにまぶすことで厄払いの意味も込められています
今年の十五夜は10/1🎑
フチャギやお団子を食べながら、お月見しませんか☺ pic.twitter.com/OEHawf7hpf— イオン琉球 (@AEONRYUKYU) September 30, 2020
今では団子であれば何でもOK、みたいな風潮ですが
かつてはお米でを原料とした白い団子が一般的でした。現在の9月後半は稲刈りの時期と重なりますから、獲れたての新米を使ったのか、それとも残った昨年のお米を使ったのかは定かではありません。
ですが、身近に神様をお迎えしてのお祭りですから、今の感覚で言えば「新米」使用、残り物に福があって、古いお米を団子にして食べるというのであれば「古米」使用だったと考えられます。
どちらが正しいとかではなく、その人その家ごとに違ったのかもしれませんね。
あとは獲れたての農作物。
十五夜の頃には里芋が多くの地方で登場しているようです。他では栗、枝豆などを供える地方も。
野菜は、今では何でもそろってしまいますが、昔は獲れたものしか供えられなかったわけですよね。お月見とは言えきっと命に直結していた祭事と言っても過言ではないのかもしれませんね。
もう一つの名月
前述しましたが、名月にはもう一つ【後(十三夜)の名月】もあります。
【中秋の名月】が中国から渡ってきた風習であるのに対し、【後の名月】は日本古来のものだそうですよ。
年によっては残暑が残り得る中秋の頃の月は天気や空気の澄み具合が悪いこともあります。
そこで、もう一ヵ月季節が進んだ《旧暦》9月13日の月も大事にする、という風習が日本で出来ていったそうですよ。その頃になれば気候も安定し晴れが多くなりますし、お米を中心とした収穫も峠を越えていますから。
ですが、知名度で言えば、日本でも中国でも【中秋の名月】が名月の中の名月なのかもしれませんね。
まとめ
【中秋の名月2020|読み方や意味と満月や十五夜に団子やススキを備えるのはなぜ?】についてまとめました。
お天気もちょっと気になりますがキレイな月が見れるといいですね!
「知っとく、防災のすべて」でした。