台風の季節になるとよく聞くのが「温帯低気圧」という言葉。中学生の頃に習った記憶があるものの娘に説明しようとしても簡単にできない(汗)。台風や熱帯低気圧との違いもついでに調べてみたら面白い事が分かったよ!
温帯低気圧
温帯低気圧ってなに?
台風の時期になるとよく耳にするのがこんな言葉です。
- 「熱帯低気圧が台風に発達しました」
- 「台風が温帯低気圧に変わりました」
「温帯低気圧」や「熱帯低気圧」を学校で習ったのはいつだったか覚えていますか?
どうやら中学2年生の理科で習うものらしいです。
そこで、中学生の理科を調査してみました!!
気象の専門サイトだと、とても難しい言葉がいっぱい並んでいて余計に分からなかったのです(汗)
中学生の勉強サイトにはそれはそれは簡潔に書かれていましたよ〜!
【温帯低気圧とは】
温帯低気圧とは温帯地域でできる低気圧です。(低気圧は周囲よりも気圧が低い場所のこと)
ちなみに温帯地域とは
おおよそ北緯30度~60度の中緯度帯で、①年間を通じて温暖な気候で②最寒月平均気温が‐3℃~18℃未満、③最暖月平均気温が10℃以上などの定義に当てはまる地域を指します。
日本のほとんどの地域は温帯地域に位置していますね。
なので日本付近で低気圧ができるとそれらはのほとんどは温帯低気圧となりますが、一部小笠原や沖縄近海で生れる低気圧は熱帯低気圧になります。
2種類の低気圧の違いは?
では、同じ低気圧なのに熱帯低気圧と温帯低気圧の違いはなんなのでしょう?
それはひと言で言うと低気圧の出来方なんですよね。
熱帯低気圧は・・・暖かい海面上で起きる上昇気流
温帯低気圧は・・・南北の性質(温度や湿度)の違う空気がぶつかりあってできる上昇気流
と、それぞれ違う上昇気流が低気圧をつくります。
逆に言うと
◎温帯地域の地表や海面では暖気の上昇気流によって低気圧ができることはなく(上昇するほど空気が暖かくない)
◎熱帯地域では性質の違う空気がぶつかりあってできる低気圧は生まれない(暖かい空気しかない)
ということが言えます。
余談ですが、温帯地域では「北から冷たい空気」「南から暖かい空気」が地表付近でぶつかり合うと(性質が異なる空気はすぐに交わる事ができないので)そこに「前線」ができます。
寒冷前線とか温暖前線とか言うアレですね。つまり温帯低気圧はこの前線の中にできる低気圧の事なのです。(※全てではありません 周りの気圧に比べ低いエリアがあれば低気圧になることもありますがそのほとんどは小さな低気圧です)
台風から温帯低気圧へ
こちらは2020年9月21日の天気図です。
【本日のお天気】
画像は3:00の天気図。現在の名古屋は、どんより曇り。
西日本は、全体的に #秋雨前線 の南側に入るため、太平洋からの湿った空気の影響で天気が崩れそうです。
雷雨にも注意が必要みたいですよ。 pic.twitter.com/1sKiLswHLlb— なるしすと早見(略して「なる早」) (@freek_funk) September 17, 2020
この図で、日本列島の真ん中を通っているのは秋雨前線になります。
秋雨前線も「冷たい空気」と「暖かい空気」の境目にできますが、停滞前線(2種類の空気が拮抗している状態)なので低気圧は伴っていません。梅雨前線も同様ですね。
もし、ここに「台風」が北上してくるとどうなるか?
まずは台風の進行方向へとこの前線を北方へと押し上げていきます。
そうしていくうちに暖かい空気だけを吸い上げてエネルギーにしていた台風に、(北側の)冷たい空気が流れこみ、低気圧の性質が熱帯から温帯低気圧へと変わるわけです。
温帯低気圧のエネルギー源は暖かな空気と冷たい空気なので、温帯低気圧として再発達することもよくあります。晩秋にこの状態になると、北側の空気がより冷たくなってきているので温度差が大きくなり、そのぶん低気圧が発達します。
また、台風(熱帯低気圧)の強風域は中心寄りなのに対し、温帯低気圧では前線に沿って広い範囲で強風が吹くことがあるのが特徴です。
なので、台風が温帯低気圧に変わったからと言って安心!というわけではないのですよ~。
秋雨前線についてはこちらの記事に詳しく書いてありますのでみて見てくださいね〜。
熱帯低気圧と台風
熱帯低気圧
熱帯低気圧はその名の通り
【熱帯低気圧とは】
熱帯低気圧とは熱帯地域でできる低気圧です。
そして、熱帯地域は
おおよそ赤道から北回帰線(北半球の場合)までの低緯度帯で、①年間を通じて温暖な気候で②最寒月平均気温が18℃以上、③ヤシが生育することなどの定義に当てはまる地域を指します。
ということで、熱帯地域には冷たい空気はありませんよね。
なので熱帯地域で低気圧が発生しても暖かい空気だけを集めるので、そこに前線は伴いません。
つまり、熱帯低気圧は「前線を伴うことのない低気圧」なのです。ここが温帯低気圧との大きな違いです。
等圧線が中心(気圧の最低部)から丸くなるのはこのためですね。
台風と熱帯低気圧の違い
熱帯低気圧は台風のたまごと呼ばれます。
【台風とは】
・熱帯低気圧の風速が17.2m/秒を超えたもの(風力でいうと8)
台風のエネルギー源は、暖かい海面から得られる水蒸気が水滴に変わるときに出る熱です。
台風は暖かく湿った空気を上昇気流が吸い上げることで発達しますが、温帯低気圧のエネルギー源は、暖かい空気と冷たい空気が上下で入れ替わることで生まれる運動エネルギーです。
つまり、温帯低気圧と熱帯低気圧(台風)の構造は全く違うものなのですね。
まとめ
【温帯低気圧とは?簡単に説明すると台風や熱帯低気圧との違いも分かるらしい!?】をまとめました。
参照元:ウェザーニュース
参照元:ベネッセ教育情報サイト
「知っとく!防災のすべt」でした。