台風や長雨で常に洪水の危険が付いて回る「河川」。東京には荒川と多摩川の2大河川があり、その治水事業は江戸の昔からの大きな課題になっています。2019年も台風で多摩川が越水!もし荒川が氾濫したらどうする?
もし荒川が氾濫したら!?
一旦大雨が降ると日本中の河川に氾濫の危険が伴います。
それぞれの河川には治水対策が施されてはいますが、十分とは言えません。堤防が切れたり越水したりして流域の市街地が水浸しになってしまうというシーンを幾度となく見てきました。
荒川は、利根川・江戸川・多摩川等とともに、わが国で最大の広さを持つ関東平野を流れ、東京湾に注ぐ一級河川です。その流域は、東京都と埼玉県を合わせて20区40市18町1村にまたがり、面積2,940km2、人口930万人、人口密度約3,100人/km2。水道用水供給人口約1,500万人。利根川・淀川に次いでわが国の主要河川の中では第三位の人口、鶴見川についで第二位の人口密度となっています。
また、流域内の資産額は約150兆円、そのうち想定氾濫区域内資産額は約78兆円にも達します。(河川現況調査 平成14年3月/基準年平成7年度)―国土交通省HPより―
一度氾濫してしまうと、多大は被害が起きる洪水。
大丈夫!と気にしないのではなく、「もし起きたら」と心の片隅に置いておきたいものです。
洪水は雨の降り方と量で想定が可能です。
気象庁や自治体からの情報には耳を傾けてくださいね。
荒川ってどんな川?
東京の北辺を流れる「荒川」は荒川水系の本流を指し一級河川に指定されています。
流路延長173km・流域面積2,940㎢
荒川の始まりと終わりは?
荒川の源流点は2説ある!?
有力?なのがツイートにもあるように山梨県、長野県、埼玉県の3県が堺を接する甲武̪信ケ岳(こぶしがたけ)です。
奥秩父の甲武信ヶ岳(2475m)直下の甲武信小屋から埼玉側へ下ること20分ほど。標高2230m付近の岩場から突如勢いよく流れ出していたのが荒川源流点。その脇に「荒川源流点の碑」を発見\(^o^)/。流石というか、いきなりのこの水量には驚きました!。このあと甲武信小屋まで戻るのに30分以上要しました💦 pic.twitter.com/vNSdLtuVX0
— ダー岩井のツーリング写真館 (@Tadaiwai) June 17, 2018
もう一か所は秩父湖の上流にある滝川と入川の合流地点、と言われています。
ただ、源流と言えばやはり山中ですよね。名もない沢にちょろちょろ流れる清水が定番です。個人的には最初の甲武信ケ岳説がいいかなと思います。
荒川のゴール地点は東京湾の手前、中川との合流地点になります。
中川と荒川が合流するところ pic.twitter.com/RovA0z5X8Z
— 月 (@tk00moon) August 2, 2020
荒川の歴史
その名の通り荒ぶる川として命名された「荒川」。
かつて、幾度となく洪水を引き起こし大きな被害をもたらしてきたちょっと迷惑な川でした。
それでも、江戸幕府により発展を遂げた東京の人々は、後にその水をうまくコントロールすることで荒ぶる川と上手に付き合っていく道を選びました。
隅田川は元は荒川が流れていた場所。荒川放水路が正式に荒川になったことで旧荒川が隅田川と命名されたようですね。
もともと川は自然が作り出すものです。雨が降り水が流れるところには自然と川が出来ていきます。
ただ、必要以上に水が増えてしまうとどうしても洪水になってしまいます。ダムや水門、堤防や放水路と様々な手法で人は水や川と暮らしてきたんですね。
東京23区のハザードマップ(荒川氾濫限定です)
先人たちが頑張ってきてくれた「治水」ですが、近年ではいわゆる”想定外”の事象が起こり得るもの。
荒川や隅田川も安全とは言い切れないかもしれませんね。
この想定図などを見て荒川氾濫時のイメージは持っていましょう。「こんなこと想定してなかった・・」という言い訳は洪水時には空しいだけですから。
また、東京都から発表されているハザードマップは以下のポイントを押さえています。住んでいる場所、働いている場所、移動している場所など、常に必要とする場所は変わっていきます。
23区内でよく行く場所の危険度を見ておくのは、イザという時役に立つかもしれませんね。
◉大雨時に危険な場所(浸水の予想される区域)
◉危険の程度(想定される浸水深)
◉非難場所、避難経路等の災害対応のための情報など
ハザードマップは一つの想定に基づいてはいます。ただその想定を超える豪雨が起きるのが気候変動後の雨の量です。
想定は想定として、それ以上の事が起きうることも想定しておきたいですね。
各区のハザードマップ(令和2年8月現在)と洪水時の注意点
ここからの一覧では東京23区の各自治体から出されている「荒川及び墨田川の洪水ハザードマップ」を掲載していきます。他の河川については直接各自治体にご確認下さい。
千代田区
更新日:2020年1月22日
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
荒川の氾濫が予想される場合(水平非難)荒川が氾濫した場合、浸水後水が引くまで長時間(2週間以上)を要する見込みとなっています。建物の上層階へ避難しても、建物内に孤立する可能性がありますので、浸水想定区以外に避難して下さい。(注意)荒川の堤防が決壊し、氾濫水が千代田区に到達するまでに、12~24時間かかる見込みです。落ち着いて行動するようにして下さい。
―千代田区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
千代田区政策経営部災害対策・危機管理課
電話番号:03-5211-4187
中央区
更新日:2020年4月1日
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
中央区内で深水が始まるのは破堤から12時間後と想定されています。なお、シミュレーションの実施にあたっては、墨田川や神田川・日本橋川の中小河川のはん濫、高潮、内水はん濫等を考慮していませんので、浸水区域外においても浸水が発生する場合や、想定される水深が実際の浸水深と異なる場合がありますので、十分に注意して下さい。
―中央区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
中央区防災課防災担当
電話:03-3546-5287
港区
更新日:2019年9月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
港区浸水ハザードマップを改定しました。改定した浸水ハザードマップは、想定し得る最大規模の降雨(時間最大雨量153mm・総雨量690mm)によるシミュレーションを基にしています。(※一部地域を除く)
※一部地域とは、隅田川及び新河岸川流域(主に、新橋・虎ノ門・六本木・麻布台・赤坂地区等)であり、このたび変更はありません。今後、東京都による新たな浸水想定の公表に合わせ、更新する予定です。
―港区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
港区 街づくり支援部土木課
電話番号:03-3578-2217・2218・2219
新宿区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
新宿区総務部・危機管理課危機管理係
電話番号:03-5273-4592
文京区
更新日:2019年6月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
浸水被害が予想される区域及びその程度は、想定しうる最大規模の降雨(総雨量690mm・時間最大雨量153mm)を基にシミュレーションを行っていますが、雨の降り方、土地の形態の変化、河川・下水道の整備状況等により変化することもあります。
大雨が降ると、常にこのマップのような浸水があるというものではありませんが、十分注意してください。
―文京区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
文京区危機管理室防災課
電話番号:03-5803-1179
台東区
更新日:2020年9月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
・荒川の南側堤防のうち、首都高速6号向島線~笹目橋の間で決壊が発生した場合、浸水の可能性があります。
・最短で3~6時間で台東区北部が浸水し、6~12時間でほぼ区内の2/3が浸水する見込みです。
―台東区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
台東区危機・災害対策課
電話番号:03-5246-1092
墨田区
更新日:2018年3月1日
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
墨田区では、高い場所への非難が必要な雨水出水(都市型水害)や区外への非難が必要な荒川の氾濫などの大規模な水害が発生した場合について、想定される浸水の深さ、浸水の継続時間等を冊子と地図でまとめた「墨田区水害ハザードマップ」を作成しました。
―墨田区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
墨田区都市整備課
電話番号:03-5608-6290
江東区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
江東区土木部河川公園課
電話番号:03-3647-2538
品川区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
品川区防災課
電話番号:03-5724-6695
目黒区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
目黒区防災課
電話番号:03-5723-8700
大田区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
大田区危機管理課
電話番号:03-5744-1236
世田谷区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
世田谷区災害対策課
電話番号:03-5432-2262
渋谷区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
渋谷区土木部管理課管理係
電話番号:03-3463-2773
中野区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
中野区総務部危機管理課
電話番号:03-3228-8933
杉並区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
杉並区都市整備部土木計画課土木調整グループ
電話番号:03-3321-2111(代表)
豊島区
更新日:2019年11月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
浸水の予想される区域およびその程度は、雨の降りかたや土地の形態、河川・下水道の整備状況により変化することもあります。したがって、大雨が降ると、常にこの地図のような浸水があるというものではありませんが、十分注意してください。
―豊豊区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
豊島区総務部防災危機管理課防災情報・訓練グループ
電話番号:03-4566-2574
北区
更新日:2017年5月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
想定最大規模降雨(荒川流域の72時間総雨量632mm)で荒川が氾濫した場合や、隅田川等の流域で激しい雨が降り河川に排水できずに氾濫した場合に備え、想定される浸水の深さや避難所などを具体的に示し、区民の皆さんが避難するときは、2箇所以上の避難場所へ避難できるよう、自分自身であらかじめ複数の避難経路を確認しておけるようまとめました。
―北区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
北区土木部道路公園課公園河川係
電話番号:03-3908-9275
荒川区
更新日:2020年7月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
大型台風の上陸等により、埼玉県を中心とする荒川上流域で想定し得る最大規模の豪雨が降り荒川が氾濫した場合、区内の大部分が浸水し、長期間にわたり浸水が継続することが想定されています。ご自宅で想定される浸水の深さや浸水の恐れがない階層を「荒川区防災地図(水害版)」や「荒川区防災アプリ」を活用して、事前に確認しましょう。
―荒川区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
荒川区民生活部防災課防災管理係
電話番号:03-3802-3111(内線:492)
板橋区
更新日:2020年7月30日
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
板橋区ハザードマップ(荒川氾濫版)は、平成28年5月30日に国土交通省が公表した、水防法の規定により定められた想定最大規模降雨による「洪水浸水想定区域図」(荒川が流れる地域で3日間での総雨量632ミリメートルの降雨があった場合)に基づき作成しています。(平成31年1月作成)
―板橋区HPより抜粋
<問い合わせ先>
板橋区危機管理室 防災危機管理課
電話:03-3579-2154
練馬区
※荒川関連の洪水ハザードマップは想定されていません。
<問い合わせ先>
練馬区危機管理室 危機管理課 庶務係
電話番号:03-5984-2762(直通)
足立区
更新日:2019年3月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
想定される最大浸水深は、荒川流域において想定しうる最大規模の降雨によって、荒川のいずれかの場所から氾濫した場合の最大浸水深です。実際に洪水が発生したときには、想定される浸水深が異なる場合や、浸水が想定されていない区域も浸水する場合があります。
―足立区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
足立区都市建設部企画調整課/総合防災対策室災害対策課
電話番号:03-3880-5349/03-3880-5836
葛飾区
更新日:2020年8月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
荒川が氾濫するおそれがある時は、東部地域に避難しましょう。特に荒川左岸沿岸地域の方は、早期に避難を開始しましょう。東京都西部や千葉方面に親戚・知人宅がある場合には、そこを自主避難先とすることについても検討されてみてください。
―葛飾区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
葛飾区危機管理課災害対策係
電話:03-5654-8572
江戸川区
更新日:2019年5月
想定:荒川流域の72時間(3日間)総雨量632mm
水害などの自然災害に対しては、日ごろからの備えがとても重要です。いざというときに備えて自宅周辺の地理や避難するところの位置を確認し、家族で避難時の行動を話し合っておくなど、日ごろからの備えをお願いいたします。
―江戸川区HPより抜粋―
<問い合わせ先>
江戸川区防災危機管理課危機管理係
電話番号:03-5662-2037
まとめ
河川の氾濫はどこで、いつ、どれくらいの規模で起きるか分かりません。
玄関先に水が流れてきたな、と思っていたらあれよあれよという間に水かさが増していく、そんなパターンもあるようです。
いくら治水対策に時間とお金を使ってきても100%安心な河川はない!と言っても過言ではないでしょう。
最後は「水から逃げる」ことでしか自らを守れないとしたら・・・常に災害に対する意識を高め、イザという時どうすればいいのかをイメージしておくことが大切ですよね。
「知っとく!防災のすべて」でした。